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総社市長 片岡さんにお会いしてきました

昨日で西日本豪雨で設置された避難所、同時に災害対策本部もすべて閉鎖され、
復興途中ではありますが、一応の落ち着きを見せています。

被災者の方にとっては辛い冬でしょう。

こんなひどい経験をされたので、もうこれからいいことばかりおきるはずです。
来年、これからの日々はとても幸せであるように心から祈っています。

 

総社市長の片岡聡一さまから感謝状をいただきました。
力不足ですが、被災地への思いが少しでも届けばと思っています。

 

片岡市長は、3年前、岡山に単身赴任してひどい生活をしている私をみかねて、
カレーやたけのこご飯を直々に届けてくださいました。涙ながらに頂いたのを思い出します。

 

今日、総社市へ患者さんの転院搬送にいったとき、片岡市長さんから
「市役所においで、カレー作ったから」とLINEがあり、いただいてきました。
救命センターのみんなでおいしくいただきました。

片岡市長さん、いつも本当にありがとうございます。

 

 

 

2018年12月14日(金)| NEWS

救急医留学記(西村 健先生より)

羽田空港を出発した飛行機は予定時間を約1時間遅れミネソタに到着。
見事トランジットに乗り遅れ、深夜0時にピッツバーグ空港に到着。
2個のスーツケースを引きずり危険なアメリカの街を汗だくになりながら約1時間歩き予定のホテルに到着。ここから僕のピッツバーグ生活が始まりました。




平成21年に岡山大学医学部医学科を卒業し、神戸で初期研修、外科専攻医を経た後に兵庫医科大学救急部で救急医としてのキャリアを開始しました。
ここで現在の岡山大学救急部教授の中尾先生と初めて一緒に仕事をさせて頂き、今に至るまでご指導を頂いています。

突然中尾先生から「英語の論文を書いてみろ」と言われ気が動転したのを覚えています。
時間をかけてやっとの事で初めて書いたちぐはぐな英語論文は、中尾先生の編集により全く別の洗練された論文に生まれ変わりました。
その時に“Academicな外科医になりなさい”と教えて頂き、今でも教訓として心に留めています。
その頃から研究や論文を書くことに自然と興味を持ち始め、同時に漠然と海外に留学することも目指すようになりました。
救急医として臨床を行いながら、岡山大学大学院にも社会人大学院生として通っていました。
週末の授業が中心であり、働きながらでも決して無理のないスケジュールで大学院生を継続することができました。
留学する機会を伺っていた、私は内藤准教授からの紹介で過去に中尾教授、内藤准教授が留学されていたピッツバーグ大学にご縁を頂き、
2018年7月から留学することができました。



研究の前任者がいるわけでもなく引き継ぎも無いためまずは生活を立ち上げなければなりません。
英語に苦労しながら少しずつ生活環境を整え異国の地で家族とともに生活する基盤作りをしました。
スーパーでの買い物から始まり自動車免許の取得など、ピッツバーグの住人として生きていく術を少しずつ獲得していきました。
幸いにもピッツバーグは比較的治安も良く、日本人も多く住んでいます。
心配していた子供の学校のことなど、たくさんの情報を直接得ることができました。
こちらの日本人は医療職種の方のみではなく企業からMBAの取得のために留学している方も多く、
日本では接する機会の少ない他業種の方々とも家族ぐるみで付き合いができ刺激になっています。


研究オフィスは病院のすぐ近くにあり、時折病院にも顔を出しています。
日本で言う病院前救急活動(Emergency Medical Service)にも参加し、アメリカの救急救命士とヘリコプターで患者搬送も経験できました。
Visaの関係で患者の治療には参加できませんが、治療の流れは日本で行うのと大きな差はないため、見ているだけでも日米の差などを考えながら十分に勉強になっています。

ピッツバーグの研究オフィスの人たちは非常に優しく接してくれています。


現在のテーマは「抗凝固薬使用中の患者の外傷予後について」ですが、わからない部分は同僚たちが優しく教えてくれています。
みんな留学生の扱いにも慣れており、英語が達者でない私でもコミュニケーションを十分にとれています。
データは莫大で整理するだけでも多大な時間を要していますが、周りの協力を得ながら少しずつ研究も進んでいます。
所属している救急部には医師だけではなく研究を主導またはサポートする人達がたくさんいて、
みんなで支え合いながら発表、論文化を目指すシステム作りができています。
特にここピッツバーグ大学救急部は心肺蘇生の研究が盛んであり、
Professor のDr. Clifton CallawayはAmerican Heart AssociationのLifetime Achievement Awardに選ばれるほどの素晴らしい研究者でかつ臨床医でもあります。
人柄も素晴らしく、Thanksgiving dayには一家で自宅に招いてもらいました。

医学研究も大事ですが、異文化と接することや異国の人とのつながりを強く感じることができるのも留学の醍醐味の一つだと考えています。




渡米して約5ヶ月がたった今ピッツバーグは雪も降り始め、日本よりもひと足早く厳しい冬の到来を迎えました。
街にはクリスマスツリーが飾られ、アイススケートリンクも造設されています。


夏から冬と怒涛のように過ぎているピッツバーグ留学ですが、この間に悲しい事件も起こりました。
2018年10月18日、治安の良いとされているピッツバーグでユダヤ教徒を対象とした大量銃撃事件が発生し、11人の方が犠牲になりました。
休日の午前中に突然全国ニュース番組でピッツバーグの街並みが映りだされ衝撃的な事件の内容を伝えていました。事件が起きた場所の周辺は数日間封鎖され、警察官やパトカーが行き来する騒がしい街へと変化しました。

最近はやっと日常をとりもどしましたが、自宅の目と鼻の先で起きた悲惨な事件はピッツバーグの人たちに深い傷を残したと同時に、人々の絆をより強固なものにしました。
街のいたるところで見かける「Stronger than Hate」というフレーズは差別や偏見と戦うピッツバーグの人々の合言葉にもなっています。
日本ではあまり経験しない、多くの人種や宗教観をもつ人々が同じ街で生活する難しさを痛感しています。


留学中でしか経験できないこのような貴重な経験が今後の自分の医者人生をより充実したものにする助けになると信じ、今は研究に明け暮れています。



2018年12月12日(水)| NEWS

医学科5年生曽田祐民さんの日本救急医学会参加報告書

学会参加報告書

医学科5年 曽田祐民

 

20181119日から21日までパシフィコ横浜で開催された「第46回日本救急医学会総会・学術集会」に参加させて頂きました。

私は、研修医・学生セッションにて、『統合失調との鑑別を要した抗NMDA受容体抗体脳炎の一例』という題目でポスター発表を行いました。

症例は、臨床実習中に経験した、小児の精神症状が主体であった抗NMDA受容体抗体脳炎の患者さんであり、統合失調症との鑑別を要した点や、卵巣奇形腫の合併が治療過程に発覚した点で特に勉強になったことから今回の発表につながりました。

質疑応答では、小児症例での卵巣奇形腫の合併の頻度や治療介入とその後の評価についての質問を頂き、活発な議論をすることができました。

ポスター発表は初めてだったこともあり、準備の段階から先生方には色々ご迷惑をおかけすることもありましたが、この経験を通じて疾患の知識だけでなく発表の構成など多くのことを学ぶことができました。

このような機会を与えて下さった中尾教授、発表のご指導を頂いた山本先生をはじめ救急科の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。

2018年12月03日(月)| NEWS