内藤先生の論文が掲載されました

内藤先生の論文が掲載されました。

 

Steinberg A, Callaway CW, Arnold RM, Cronberg T, Naito H, Dadon K, Chae MK, Elmer J.
Prognostication after cardiac arrest: Results of an international, multi-professional survey.
Resuscitation. 2019;138:190-197.

 

Resuscitationという集中治療・蘇生分野ではトップジャーナルへの掲載です。

 

 心停止蘇生後の患者さんの神経学的予後が不良な場合、つまりしゃべったり笑ったり食事をしたり出来ない場合、life-sustaining therapy いわゆる延命治療をするかどうか、家族や医療者の間で大きな問題になることがあります。

 一方で、まだ助かる可能性があるのに治療を中断してしまうことに対して、医療者は抵抗があります。
 このような背景を検討するため、640人の医療従事者にアンケートを行い、心停止蘇生後患者での治療撤退に関するエラーを医療従事者がどれだけ許容することができるか?を検証した論文です。

 全体の集計では「治療すれば良好に生存できるかもしれなかったのに、治療から撤退した:False Positive Rate(FPR)」の許容できる範囲は0.1%以下であったそうです。
 一方、「治療して良好に生存できないにも関わらず、治療を行った:False Negative Rate(FNR)」の許容できる範囲は1%以下であると過半数が答えています。
 10年目以上の医療従事者よりも5年目以下の医療従事者の方がFPRに寛容であり、集中治療医よりも緩和ケアの医療従事者がFPRに寛容であったことがわかりました。逆に言うと、集中治療の専門家ほど、また経験年数が長いほど、なかなか治療中断の決断をせずに粘る、という現実があらわになったといえます。

2019年04月05日(金)| NEWS

平成31年度科研費 4名が採択されました

4月1日に、科学研究費(科研費)の発表があり、当教室からは4名の先生の申請がとおり研究助成をうけることになりました。
研究者本人の業績、申請内容など厳しい審査をうけて、国からお金を取って研究するというのは素晴らしいことです。
岡山大学救命救急・災害医学教室では、キャリアアップにつながる基礎研究にも力をいれています。

4人の先生がた、本当におめでとうございます。

 

●尾迫 貴章 先生
腸管上皮細胞における透過性制御機序の解明と臨床への応用

●山田 太平 先生
肺毛細血管内皮細胞障害に対する水素ガスの有効性の検討

●青景 聡之 先生
ARDS亜急性期~慢性期の水素吸入による肺線維化抑制効果:モデルマウスによる検証

●藤崎 宣友 先生
水素吸入は補助的治療手段になりうるか?ショックモデルを用いた検討

2019年04月02日(火)| NEWS