おかやまマラソンでの救命について

2018/11/11 おかやまマラソンが行われました。
当センターからは2名の看護師、2名の医師が参加し、全員完走しました。

中でも山川泰明医師は、目の前で起きた心肺停止に適切な処置をほどこし、
救命しその後何事もなかったように完走する、というスーパーヒーローのようなことをやってのけました。

山川先生は当センターに運ばれる外傷症例のほとんどを手術しています。
全身を難なく診れる救急医でありながら、機能予後を重視した整形疾患の治療にもあたる整形外科専門医、救急科専門医です。

11:58 現場は34㎞地点、旭川土手沿いでした。

山川先生は走行中に倒れている傷病者および取り囲んでいるランナー2,3名の現場に遭遇しました。
ランナーは土手沿いに横向きに倒れており、道路に寄せてあおむけにしたところ、
死線期呼吸状態、総頸動脈で脈拍確認も触知できず、直ちに胸骨圧迫を開始しました。

救急要請およびAEDの手配を指示、タイムキーパーに時間確認を依頼、メディカルランナーに胸骨圧迫を交代し、フェイスシールドがあったため人工呼吸も開始しました

12:02 AED・救護所の救急隊到着 同時点でも総頸動脈触知できずAEDを装着。
AED解析ではショックが必要との判断、すぐさまショックを施行し、胸骨圧迫再開。
12:04 体動あり、総頸動脈の触知を確認、離握手可能であることを確認、氏名・住所もいえる状態にまで回復。
12:06頃 救急車到着、ストレッチャーに乗せて搬送準備、意識レベルもクリアになっていたため搬送先は日赤への搬送を依頼。
12:12 救急隊に搬送を依頼しレースに復帰。患者さんも無事社会復帰されたそうです。

山川先生「当然のことをしただけっしょ。」と気にも留めない様子でした。

クールな男山川、粘り強い治療で多くの患者さんを助けます。
宴会部長の顔ももつ愛すべき漢です。
今度は2月の西大寺会陽かなあ。

 

2018年11月20日(火)| NEWS

『いのちのリレーを考える講演会』で当センター医師の講演があります

当センターにおいて、9月13日に脳死下臓器提供がありました。低酸素性脳症により治療の効なく脳死と診断された方のご家族が臓器提供に同意され、心臓、肺、肝臓、腎臓が、日本各地にいらっしゃる移植を必要とする方々に届けられました。 現時点で、移植を受けられた方々の経過は良好、という情報が入っています。

救命救急は、徐々に病態が悪化する慢性疾患ではなく、事故や急病を扱います。私たちは日々、持てるすべてを注ぎ、全力で治療にあたっております。しかし、救命救急のプロフェッショナルである私たちでも、救命差し上げること叶わない方もらっしゃいます。
愛する人との突然の別れに直面せざるを得ないご家族を前にする時、救命救急のこのような環境だからこそ終末期医療を大切にしなければならない、と私たちは考えています。
岡山大学病院高度救命救急センターでは、臓器提供を終末期医療の選択肢のひとつとしてとらえ『Quality of Death』を考えながら診療にあたっています。その現場では、さまざまな苦悩や葛藤が存在します。

10月14日、当センターの第一線で活躍する精鋭たちが【いのちのリレーを考える講演会】で終末期医療・臓器提供に関する講演をおこないます。
ぜひお越しください。

湯本哲也 終末期医療のありかたについて考える—現状と今後についてー
内藤宏道 臓器提供:救命医療とのはざまで—救急担当医の苦悩ー
尾迫貴章 終末期医療と臓器提供ー岡山大学病院高度救命救急センターの取り組みー

【いのちのリレーを考える講演会】

日 時:10/14(日) 13:30〜15:30

場 所:ピュアリティまきび 3階 橘の間

    (岡山市北区石井2-6-41)

参加費:無料

定 員:100名

事前申込み不要

2018年10月02日(火)| NEWS

平成30年度大規模地震時医療活動訓練に参加してきました

平成30年8月4日、表記訓練に当センターから岡大DMATチームが、高知県立幡多けんみん病院に設置された幡多・高幡医療圏DMAT活動拠点本部にて訓練プレイヤーとして活動してきました。

広域且つ甚大な被害、また交通手段も壊滅的と非常に困難な活動設定でしたが、有意義なものになりました。今後に活かしたいと思います。

 

また、当センターからは訓練プレイヤーだけでなく、指定プレイヤーとして大分県豊肥・南部活動拠点本部、および小児周産期リエゾンコントローラーとして大分県保健医療調整本部でも活動致しました。

 

当センターは、災害医療の現場におけるプロフェッショナルとしてのみならず、災害医療指導・教育活動にも力を注いでおります。

 

2018年08月13日(月)| NEWS

『平成30年7月豪雨』

この度の『平成30年7月豪雨』で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 

今回の豪雨により、岡山大学病院高度救命救急センターの所在地である岡山県、特に倉敷市を始めとした備中地域は甚大な被害を受けました。

 

当センターは7月7日に院内災害対策本部および岡山県DMAT南東部活動拠点本部を院内に設置したのち、両本部、岡山県DMAT南西部活動拠点本部、岡山県保健医療調整本部にて医療・行政両面からの支援活動を指揮。併せてDMATチーム3隊を編成・派遣し、病院避難支援活動、医療機関支援、地域搬送、現場活動、避難所支援活動をおこないました。加えて当センター小児医療班を主体とした小児周産期リエゾンチームも、県庁を中心に活動いたしました。他県からの支援DMAT隊が活動を終了・撤収して以後も、当センターを中心とした岡山大学病院救護班による避難所・救護所支援活動、および倉敷市・備中保健所での本部活動支援を現在も継続中です。

 

『全ては被災者のために』

 

岡山大学病院高度救命救急センターはこの言葉を胸に災害医療のスペシャリストとして『私たちの岡山』のために、そして『私たちの日本』のために、これからも尽力し続けます。

2018年07月31日(火)| NEWS