近年のホットトピックスである集中治療後症候群について、心停止蘇生後の患者さんにフォーカスを当て、
来院時とフォローアップ時の頭部CTを利用して、側頭筋の面積や厚さ、CT値の変化について当院を含めて
6施設にご協力いただき多施設後向視的研究を行いました。
フォローアップCTは中央値4日後に撮影され、来院時と比較して有意に側頭筋の面積や厚さ、CT値は低下していました。
これは1日にあたりの萎縮率に換算すると中央値2.0%で、心停止蘇生後の患者さんでも早期に筋萎縮が観察され、
これまでの研究で報告されてきた、他の重症患者さんの大腿四頭筋などの萎縮率と一致する結果でした。
1日あたりの萎縮率の中央値で2群に分けて、生存率や神経学的予後を検討しましたが、Cox比例ハザード分析では有意な差は認められませんでした。
また、多変量解析で萎縮に関連する因子を抽出することはできませんでした。
後ろ向き研究であることや比較的患者さんの数が少なかったことなど様々な限界はありますが、
心停止蘇生後の患者を対象として、またCTという客観的指標を用いて検討できたことは大きな意義があると考えられ、
今後のこの分野の研究の更なる発展につながると考えられました。
本郷先生、おめでとうございます。
ご協力いただいた皆様有り難うございます。