> > ~ 命のリレー ~

~ 命のリレー ~

本日2月1日未明、岡山大学病院高度救命救急センターで治療をうけていた若年男性が脳死と判定され、臓器摘出が行われました。心臓は大阪で、肺は東京で、膵臓は香川で、腎臓と肝臓は岡山に残り、肝臓は岡山大学病院で移植手術が行われました。


我々救急医は、どんなに小さな望みであっても全力を尽くして救命にあたります。しかし、不幸にも救命にいたらない場合もあります。

そのときは、有意義な終末期のために、ご家族様に脳死下臓器提供のお話しをさせていただきます。誰かの役に立ってこの地球の上で新たな生命として生まれ変わることに意義を感じられ、大切な人を亡くす悲しみが少しでも意味あるものになることもあるからです。


「今日が2つ目の誕生日だよね」「先生、うちの子立派でしょ?自慢の息子ですよ。」ご両親の泣き笑いの裏にはいろんな葛藤があったことでしょう。

ですが、息子さんの心臓は11時過ぎには2回目の拍動をはじめ、肝臓はすでに胆汁をつくりはじめていますよ。


ご家族様がこの悲しみを乗り越えられ、またこの一家に笑顔が戻りますように。
また、第二の生命をえたからだの一部が、またおいしいものを食べたり旅行したり、何かに感動したりできますように。


救命救急センターでは、全員が元気になって帰ることはできません。
全力をつくしてなお救命できないとき、命のリレーをお手伝いする、それも我々救急医の大切な仕事です。
命をつなぐために、また明日からも岡山大学高度救命救急センターは走り続けます。

2019年02月01日(金)| NEWS