医師 Doctor
Q. 救急センターへ来た経緯を教えてください。
私はもともと子供が好きで、さらに先天性心疾患に興味があったため、学生のころから小児循環器を中心とした小児科医を目指したいと思ったところからスタートしています。岡山大学の小児科に入局し、そこから様々な病院で研修を積んできました。小児科医になって1年目のあるときのことですが、ロタウイルス脳症という重症の患者様が当直中の夜中に来ました。当時、私は知識がなく上級医の先生を呼んで対応しましたがほぼ何も出来ず、3日後に亡くなってしまった経験を覚えています。もし他の優秀な先生や子ども病院にこの子が運ばれていたら助かったのではないか?と感じ、その時から、「心臓以外にも小児の全身を診れるような医者」を目指すべきだと思い、ご縁の基、様々な病院で小児救急の経験をさせていただきました。経験を経るごとに「小児科医として小児救急を専門にする」か、「救急科医として小児救急を専門とする」かという選択肢が自分の中で生まれました。小児科医は診察を通じて先に頭を動かし、救急医は「今どのような治療をしなければならないか」を考え、まず体を動かすという違いがあります。私は「小児救急医としてファーストタッチで状態の悪い患者さんを良くする」ことを目指し、お誘いいただいた岡山大学高度救命救急センターで現在に至っています。
Q. 救急医として現在どのようなことに取り組んでいますか?
様々な病院を経験してきて、新しく頑張っていこうと思うときにはモチベーションや目標を持つことを心がけています。
現在私は岡山大学で働き1年になるのですが、「集中治療専門医の取得」と「大学院への入学」に取り組み・モチベーションとしています。未知の領域でどれだけ出来るか分かりませんが、チームの方々に支えられながら、臨床・研究の2つの点について様々な目標を持ち続け、日々取り組んでいきます。
救急センターには多様な方が居ます。様々な考え方の先生、私みたいな人、少し自分のやりたいこととは違うという方、、、そういう人たちが充実して働ける環境がここは整っています。
Q. 来年はどのようなことをしたいですか?
個人的には、小児系の救急症例について論文を発表など、全国学会やブロック地方会といったところで発信をしていきます。
また、小児救急医としては、若い先生が岡山で小児の救急や集中治療を勉強する機会が得られるように取り組んでいきます。中四国ではこのような勉強が出来る施設が限られているという現状があるので、若い先生が学べる環境が得られるよう、土台作りのお力添えをやっていこうと思います。