医師 Doctor
Q. 救命センターへ来た経緯を教えてください。
私は大学5年生のときに救急をやることを決意しました。動機は単純に“死にそうな人が元気になる”ということは医療の原点であり、やりがいがあると思ったからです。当時は、岡山大学が関与していた県内の救命救急センターは、主に麻酔科が担当し運営していました。そのため、まず岡山大学の麻酔科で全身管理を学ぶことにしました。広島市の関連病院に出向し、麻酔や集中治療を学びました。同時に三次救急を担当しましたが、三次救急のみでは多くの患者様を診ることが難しく、高知の救急病院や津山市の救命救急センターに異動しました。その後、大学院での学位習得、さらにはピッツバーグ大学への留学なども経験し、2016年春、岡山大学に救急医として帰ってきました。
Q. 岡山大学の救命センターをこれからどのようにマネジメントしていきますか?
岡山大学高度救命救急センターでは“高度な診療”そして“診療の質の改善”という日々行っていくべき業務がすでに十分にできています。また、救命センターは教授を筆頭に志が高く、自ら“地域医療の改善”のために楽しく、またお互いを認め合いながら働いているメンバーばかりなので、正直なところ医局員のマネジメントには苦労していません。
しかし、将来的に5年や10年といったスパンで岡山の救急医療を成り立たせるためには、若い人材を確保することが欠かせません。“救急をやってみたい”という若い方が必ずいますので、私たちは救命センターへの興味を長続きさせるための場を提供していかなければなりません。具体的には、救命センターへのイメージとして抱きがちな“人が少なく、働くコンディションが過酷である”。また、“年を取ったときの将来像を見出せない”というようなところを“業務改善”や“救急独自の研究を示すこと”で払拭していきたいと思っています。
Q. 救急医療に携わる医師として、誇りに思うことは何ですか?
私が誇りに思い、モチベーションになっていることは、急病の患者さんが元気になり感謝してくれることです。他科の医師や、看護師・臨床工学技士など、診療を手助けしてくれる人たちと、チームとして同じ意識を持って治療に当たることを心がけています。