臨床工学技士 Clinical engineer

平山隆浩さん(臨床工学技士)

戻る

Q. 臨床工学技士になろうと思ったきっかけはなんですか?

私が高校生の時は将来の夢が明確になく、人の役に立ちたいというぼんやりとした思いでいました。そんな時、臨床工学技士がたまたまドラマに取り上げられたのを見て存在を知りました。色々と情報を集めていくにつれ、これからの医療になくてはならない職業だと強く感じ、資格を取得しました。臨床工学技士は歴史が浅い職業であり、私の生まれた1988年に国家資格になりました。今も臨床工学技士は可能性を広げており、大きく進化を続けています。私も一緒に成長していけたらと思います!

Q. 臨床工学技士とはどのような仕事内容ですか?

臨床工学技士は「いのちのエンジニア」として、集中治療室、手術室、血管内治療室、ME機器センターなど病院内の様々な部署で活躍しています。救急・集中治療領域では生命維持管理装置を中心とした医療機器の操作・保守管理を行い、医療現場で安全管理を含めた全体のマネジメントを行っています。生命維持管理装置とは血液浄化装置、人工呼吸器、補助循環装置など重症患者の救命に必要不可欠な装置のことです。日々進化していく様々な医療機器のスペシャリストとして医師、看護師、薬剤師など多職種との連携、研修医・学生への教育などに関わり、患者さんにより良い医療を提供できるように努めています。

Q. 岡山大学救急科の印象は?

様々な診療科の医師、看護師や薬剤師など多種多様な専門家と日々関われるのでとても面白いです。またそれぞれが目標を持って、常に向上している姿に刺激を受けています。災害医療、研究、国際交流も活発にされているため、私も視野を大きく広げることができました。災害医療ではDMATとして、いつ起こるかわからない災害に備えて、チームで準備や訓練を重ねています。研究の面では、様々な治療データをもとに「その治療で本当に良かったのか?もっと良くするためにどうしたらいいか?」を常に考えています。私自身も救命救急・災害医学講座の博士課程に社会人学生として在籍させていただいており、臨床工学技士の視点から得た研究成果を学会や論文にまとめて報告しています。今後も様々な研究に携わっていく予定です。国際交流ではミャンマーの救急医育成プロジェクトや、ミャンマーに臨床工学技士養成校をつくるというプロジェクトを通じて関わりを深めています。

Q. 今後の夢は何ですか?

好奇心が旺盛ですので、様々なことにチャレンジして多くの経験をしたジェネラリストを目指しています。そのために悔いのないよう、今できることを全力で取り組みたいと考えています。そして、これからの若手にこの分野を「面白そう」と思ってもらえるように、臨床工学をもっと発展させていけたらと思います。そのために私たちはどのように展開していかなければならないかを一生懸命考え、時代の流れとともに変化しながら、みんなで切磋琢磨し、ワクワクと楽しく仕事ができたらいいなぁと思っています。