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救急医とACP(2024.4更新)

自宅で看取りたい、延命はしてほしくない、といった患者様が、蘇生行為をされながら救急搬送されてくることが少なからずあります。

高齢で寝たきりであっても、ご家族様にとっては大切なおじいちゃん、おばあちゃんであり、救急車を呼んでしまうのも仕方ないでしょう。

新型コロナの流行以来、高齢者は「自宅で看取るべき」「病床を埋めるべきではない」といった考え方もでてきていますが、高齢者であってもきちんとした医療を受ける権利があります。一方で、治療に反応して元気を取り戻す可能性がないのに無意味な延命がされる場合もあります。

 

岡山大学病院高度救命救急センターでは、岡山県医師会とタッグを組み、地域の公民館や学校・施設へ出向き、ACPについて考える座談会を行っています。また、早すぎる治療撤退や、無意味な延命治療が行われることなく、尊厳ある穏やかな余生を送っていただけるように、高齢者救急のありかたを研究しています。

 

岡山は在宅医療が比較的進んだ地域ですが、救急の現場で患者様やご家族様の思いに寄り添うことができるのは救急医です。「救急車を呼ぶな」ではなく、パニックになって救急要請をしてしまうことがないよう、人生会議についての啓蒙活動も積極的に行い、救急外来から施設やリハビリ病院、在宅医療に繋げる連携を重視し、地域を俯瞰的に診れる救急医を育成することも我々の大切な使命です。