当センターの特色
Features of our center
外傷診療
近年ドクターカーやドクターヘリなどによる病院前からの医療介入や、救急初療室にCTや手術設備を備えたhybrid ERの登場により外傷診療も劇的に変化している。まだこれらの介入による臨床成績の向上は明らかではないが、予測生存率の低い症例などにおいて劇的救命が可能となった報告なども散見される。しかしながらJATECに基づいた標準的な外傷診療も重要であり、特に初期研修医や救急になじみのない外科医においては外傷診療の登竜門ともいえるべき存在であろう。当院ではドクターカーやドクターヘリといった資機材はなく、消防本部からの依頼によるピックアップ方式による病院前診療を行うこともあるが、基本的にはJATECに基づいた診療体制をとっている。
当院での外傷診療体制としては高度救命救急センターの役割に基づき、3次対応の必要な切断肢や重症・多発外傷を中心に高エネルギー受傷機転の患者も幅広く受け入れている。TAE介入や緊急開頭・開胸・開腹手術が必要な重症外傷症例は放射線科・各外科と連携を取り早期の治療介入を行い、四肢・骨盤外傷への対応は救急科内にいる整形外科医により治療方針が決定している。多発外傷症例などで多数診療科にわたる外傷症例は、救急科においてマネジメントを行っている。
いずれにせよ救急診療において外傷診療は切り離せない分野であり、当院においても外傷専門医や各科との連携を行いながら診療にあたっている。
急性硬膜外血腫
骨盤輪+寛骨臼骨折3DCT
術後レントゲン