当センターの特色
Features of our center

小児重篤患者診療体制

2012年の高度救命救急センターの認可に伴い、小児集中治療の経験がある集中治療医を配置し、小児重篤患者診療体制に努めてきました。当センターは成人と小児が混在するclosed ICUであり、年齢による医療の垣根を出来るだけ低くするように努力し重篤小児の集約化に努めています。

現在継続している小児重篤患者診療体制整備は

  1. 1)救急外来、ICU内でのbroselow file使用、物品の整備
  2. 2)医療スタッフ教育(講義、シミュレーション教育)

※broselow file: 体重毎に薬剤量、デバイスを記載したファイル

を行っています。小児科、救急科、集中治療関連学会での発表や各地域での講演の成果もあり、現在は高度救命救急センターに3名の小児集中治療経験者が常勤として配置、入室数は2012年の配置直後の年間12名から2017年は年間70名(図1)、成績向上を認めています(図2)。

小児症例の年次入室数当センターでの小児診療実績

特に急性脳症に関しては岡山大学小児科が掲げるステロイドパルス療法、低体温療法を中心とした特異的治療を踏襲しつつ、脳還流圧を意識した集中治療を併せて急性脳症バンドルを作成し診療に当たっています(図3)。近年は県外からの紹介も年々増えており、成績に関して平成22年の厚生労働省研究班の報告と比較して良好な結果となっており(図4)、中四国全域での急性脳症治療の拠点病院としての役割を果たせるよう、引き続き更なる改善に向けて精進しています。その他、重症外傷、熱傷、呼吸不全、敗血症等の疾患にも力を入れて対応しています。

岡山大学における小児急性脳症に対する集学的脳保護戦略痙攣重積型脳症の神経学的予後

少子高齢化が進むなか、小児重篤患者のみの集約化にも課題があります。当センターは、多くの成人重篤患者から得られた知識を小児へ、また小児から得られた知識を成人に活用していく救急集中治療を一つの目標にしています。興味を持たれる方は是非一緒に働きましょう。